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副業・パート・扶養内の人のふるさと納税【2026年版】ワンストップは使える?確定申告と年収の壁

副業・パート・扶養に入っている人のふるさと納税は、次の3つで判断できます。

  • 副業の所得がある人は、ワンストップ特例はほぼ使えません。20万円以下で所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要で、申告した時点で特例は無効になるからです
  • パート・扶養内で税金がかかっていない人は、寄付しても戻りません。2026年分は、給与だけなら収入178万円以下で所得税、住民税は単身で110万円前後(2026年の収入分から119万円程度に上がる見込み)以下で所得割がかかりません
  • 寄付する人・支払う人・控除を受ける人は同じ人にします。夫や妻の名義のカードで払うと、控除を受けられないことがあります

以下、状況別に「ワンストップが使えるか」「どこで申告するか」「上限はどう変わるか」を整理します。

状況別の早見表

まず自分がどこに当てはまるかを確認してください。数字は2026年分(2027年度の住民税)の給与収入ベースです。

あなたの状況 ワンストップ特例 申告のしかた 上限額への影響
会社員・副業なし 使える(5自治体以内) 特例の申請書を寄付先へ 年収と家族構成で決まる
副業の所得が20万円以下 住民税の申告をすると無効 住民税の申告書に寄附金控除を書く、または確定申告 副業の所得の分だけ上がる
副業の所得が20万円超 使えない 確定申告に寄附金控除を記載 副業の所得の分だけ上がる
副業が事業所得で赤字 使えない 確定申告に寄附金控除を記載 給与と相殺され上限が下がる
パート・住民税がかからない収入(単身で約110〜119万円以下) ― 寄付しても控除される税金がない 控除の対象になる税金がない
パート・住民税はかかるが給与収入178万円以下 使える(他に申告がなければ) 住民税だけから控除される 上限はかなり小さい
パート・給与収入178万円超 使える(他に申告がなければ) 会社員と同じ 収入に応じて上がる
扶養家族がいる会社員 使える(5自治体以内) 会社員と同じ 扶養控除・配偶者控除の分だけ下がる

表の「110〜119万円」「178万円」は、収入が給与だけで、社会保険料控除などを考えない場合の目安です。実際には社会保険料を払っていればラインはもう少し上がります。住民税の非課税の基準は家族の人数でも変わるので、扶養している家族がいる人はお住まいの市区町村で確認してください。

副業がある人:ワンストップ特例はほぼ使えない

ワンストップ特例を使えるのは、総務省の説明で「確定申告の不要な給与所得者等」で、寄付先が5自治体以内の人です。副業がある人がつまずくのは、この「申告が不要」の範囲です。

副業の所得が20万円以下でも、住民税の申告は必要

国税庁は、給与を1か所から受けている人について、給与以外の所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要としています。逆に言えば20万円以下なら所得税の確定申告は不要です。ここで言う「所得」は売上ではなく、収入から経費を引いた金額です。

ただし、これは所得税だけの話です。住民税には同じ特例がないため、多くの市区町村が「給与以外の所得があれば、20万円以下でも住民税の申告が必要」と案内しています。

そして、住民税の申告をするとワンストップ特例は無効になります。柏市などの自治体は、特例が無効になる場合として「所得税の確定申告や住民税の申告を行った場合」を挙げています。対象者も「ふるさと納税以外で所得税の確定申告(住民税の申告を含む)を行う必要のない方」とされています。

20万円以下の人の申告方法は2通り

  • 住民税の申告書に寄附金控除を書く。お住まいの市区町村に出す住民税の申告書に、副業の所得とふるさと納税の寄付をすべて書きます。所得税からの控除はありませんが、控除分は住民税から差し引かれます
  • 所得税の確定申告をする。確定申告をすれば住民税の申告は別に出さなくて済みます。この場合は、20万円以下の副業所得も申告に含めます。「20万円以下は申告不要」は確定申告をしない場合の扱いだからです

どちらでも、ワンストップ特例の申請書を出していた寄付も全件を書き直すのがポイントです。特例は無効になっているので、書かなかった分は控除されません。

副業の所得が20万円を超える人

確定申告が必要なので、最初からワンストップ特例の対象外です。申請書を出していても、東京国税局は「確定申告書を提出した場合には、ふるさと納税ワンストップ特例の適用に関する申告書類も含めて確定申告書の内容に基づき課税される」としています。確定申告書の寄附金控除の欄に、その年の寄付をすべて記載してください。寄付先が何自治体でも構いません。

申告を忘れたときの対処はワンストップを忘れた・間に合わないときと確定申告を忘れたとき、特例が使えない人の一覧はワンストップ特例が使えない人にまとめています。

副業の所得は上限額にどう効くか

ふるさと納税の上限は、住民税の所得割額で決まります。住民税の特例分は所得割額の2割が上限なので(総務省)、目安は「住民税所得割額の約2割+2,000円」です。所得割額は給与と副業を合わせた所得から計算されるので、副業の種類によって上限の動き方が変わります。

副業がアルバイト(給与)や雑所得で黒字の場合

副業の分だけ所得が増えるので、本業の給与だけで計算した上限より高くなります。ネットの「年収◯◯万円なら上限◯円」という早見表は本業の給与だけを前提にしているので、副業がある人は少し控えめに出ます。正確に出すなら、限度額シミュレーションで給与以外の所得も入れて計算してください。

副業が赤字の場合は、上限が下がることがある

ここは所得の種類で扱いが分かれます。国税庁によると、赤字を給与など他の所得と相殺(損益通算)できるのは不動産所得・事業所得・譲渡所得・山林所得だけです。

  • 事業所得として申告している副業が赤字:給与の所得と相殺されて全体の所得が減るため、ふるさと納税の上限も下がります。本業の年収だけで上限を見積もると、超えて自己負担が増えるおそれがあります
  • 雑所得の副業が赤字:雑所得の損失は他の所得と相殺できないので、上限は本業の給与だけで計算した場合と変わりません

副業を事業として営んでいて、売上・経費・青色申告特別控除まで考える必要がある人は、個人事業主・フリーランスのふるさと納税の計算の順番が参考になります。

パート・扶養内の人:税金がかかっていなければ戻らない

ふるさと納税は、払っている所得税・住民税から差し引く仕組みです。もともと税金がかかっていない人が寄付しても、差し引く税金がないので、寄付額は全額自己負担になります。返礼品を定価で買うのと変わりません。

2026年分の「年収の壁」の数字

2025年分から基礎控除と給与所得控除が見直され、さらに令和8年度税制改正で2026年分以降も引き上げられました。国税庁の資料によると、2026年分は次のとおりです。

  • 基礎控除:合計所得金額132万円以下の人は104万円(2026・2027年分)
  • 給与所得控除の最低保障額:74万円(2026・2027年分。改正前は65万円)

給与だけの人なら、104万円+74万円で給与収入178万円までは所得税がかかりません。2026年分の改正は12月1日に施行され、会社員・パートの人は12月の年末調整でまとめて精算されます。

住民税は所得税と別のルールです。単身者の住民税の非課税限度額は、これまで給与収入でおおむね110万円でした。総務省の検討資料では、2027年度分(2026年の収入にかかる住民税)から119万円程度に上がる見込みとされています(住民税でも給与所得控除の最低保障額を引き上げるため)。正式な基準は、お住まいの市区町村の案内で確認してください。なお均等割の非課税基準は市区町村の条例で決まるので、地域によって差があります。

178万円以下でも、住民税がかかっていれば控除はある

所得税がゼロでも、住民税の所得割がかかっていれば、ふるさと納税の控除は住民税から受けられます。総務省も、所得税の納税がない場合は住民税での控除のみになるとしています。ただし住民税の所得割額そのものが小さいので、上限はかなり低くなります。2,000円の自己負担を引くと得になる幅がほとんどない、ということも起こります。

給与収入が110〜119万円を超えて178万円以下くらいのパートの人は、寄付する前に限度額シミュレーションで上限を出し、2,000円を超える控除が見込めるかを確認してください。税金がかからない人が寄付するとどうなるかはふるさと納税をしないほうがいい人7つの条件にまとめています。

扶養に入っている人は、自分名義で寄付する

扶養に入っている妻・夫・子どもが寄付する場合、控除されるのは寄付した本人の税金です。扶養している家族の税金が減るわけではありません。

よくある失敗は、寄付者の名前は自分、支払いは夫(妻)名義のクレジットカードというケースです。自治体の多くは寄付者本人名義のカードでの決済を求めており、名義が一致しないと控除を受けられない場合があると案内しています。寄付者・決済する人・控除を受ける人は同じ人にそろえてください。

  • 税金がかかっている人(稼いでいる側)の名義で寄付し、その人のカードで払うのが基本です
  • 扶養内のパートの人が自分の控除枠で寄付したいなら、自分名義のカードや口座で払います
  • 夫婦それぞれに税金がかかっているなら、それぞれが自分の上限の範囲で寄付できます。上限は合算できません

扶養家族がいる人は、上限が下がる

反対に、配偶者や子ども・親を扶養している人は、扶養控除・配偶者控除・配偶者特別控除で課税所得が減るので、ふるさと納税の上限は独身の人より低くなります。同じ年収でも、独身・共働き・配偶者を扶養している場合で上限は変わります。

2026年分は扶養の範囲も広がっています。国税庁の資料では、扶養親族・同一生計配偶者になれる家族の合計所得金額は62万円以下(給与だけなら収入136万円以下)に引き上げられました(改正前は58万円以下・123万円以下)。これまで扶養から外れていた家族が新たに扶養控除の対象になると、あなたの上限は前年より下がることがあります。年末調整で扶養控除等申告書を出し直した人は、上限を出し直してから寄付してください。

年収と家族構成ごとの目安は寄付額から選ぶ一覧からたどれます。仕組みそのものはなぜ2,000円で済むのか、手順はやり方5ステップを参照してください。

よくある質問

副業が20万円以下なら、ワンストップ特例のままで大丈夫ですか

住民税の申告をしなければ特例は生きていますが、給与以外の所得があれば住民税の申告は必要とされています。申告すると特例は無効になるので、住民税の申告書か確定申告書に寄附金控除を記載してください。扱いはお住まいの市区町村に確認するのが確実です。

副業をしていることが会社に知られないようにできますか

ふるさと納税の控除は住民税に反映されるため、住民税の額は変わります。会社に知られるかどうかは住民税の徴収方法など別の話になるので、この記事では扱いません。お住まいの市区町村にご確認ください。

確定申告をしたら、ワンストップの申請書を出した分はどうなりますか

特例は無効になり、確定申告の内容で課税されます。申請書を出した分も含めて全件を寄附金控除に記載してください。書き漏らした分は控除されません。詳しくはワンストップ申請のミスと訂正や確定申告でつまずく所を参照してください。

パートで年収150万円です。寄付する意味はありますか

2026年分は給与収入178万円以下なら所得税がかからないため、控除は住民税からだけになります。住民税の所得割がかかっていれば控除はありますが、上限は小さくなります。社会保険料の額などで変わるので、限度額シミュレーションで確認してから決めてください。

扶養に入っている妻の名前で、夫のカードで払ってもいいですか

おすすめしません。多くの自治体が寄付者本人名義のカードでの支払いを求めています。控除を受けたい人の名前で申し込み、その人の名義のカードで払ってください。

ワンストップ特例の申請方法を知りたい

他に申告の予定がない人は、ワンストップ特例の申請方法の手順で申請できます。寄付先は5自治体以内に抑えてください。

まとめ

副業がある人は、20万円以下でも住民税の申告が必要で、そこでワンストップ特例が外れることを前提に、申告書に寄附金控除を書く準備をしておきましょう。パート・扶養内の人は、2026年分は所得税178万円・住民税は単身で110〜119万円程度を目安に、税金がかかっているかを先に確認します。そして、寄付・支払い・控除の名義を同じ人にそろえる。この3点を押さえれば、副業や扶養があっても失敗は防げます。個別の事情は、税務署・お住まいの市区町村に確認してください。

出典

※2026年10月時点の情報です。上限額は所得・控除・家族構成で変わり、住民税の非課税基準は市区町村によって異なる部分があります。具体的な判断は所轄の税務署・お住まいの市区町村にご確認ください。